悪魔的に臭いおならを放出したとき平和にその場をスルーするにはどうすればいいか
おならは臭い。どう考えたって臭い。当たり前の話である。臭くないおならなど、あろうはずがない。そんなものは回転しない回転寿司と同じだし、蒸していない茶わん蒸しと同じである。
厳密にいえば、ほぼ無臭に近いおならはある。音は盛大でも「あれ、臭くないぞ」というギャップ型のおならだ。でも私に言わせれば、そういうタイプのおならはただの空気の放出であって、とてもおならとは呼べない。ここで言うおならは、しっかりとニオイ成分を伴った悪意にまみれたガスのことを指す。
そんな悪魔的に臭い、悪意にまみれたガス=おならを自分の家でする分には何の問題もない。ただ自分が我慢すればいいだけだし、窓を開けて換気すればすべてが解決する。
だが問題なのは、会社や学校でおならを放出したときだ。
不特定多数の人がいるときに、堂々と盛大に音を鳴らしておならを放出できるような最強メンタルな人はあまりいないだろう。たいていは誰もいない場所で放出する。誰だって満場一致で、公に屁コキストの称号など与えられたくないからだ。
ぶっこくのであればトイレや非常階段なんかがおすすめだが、音を出すか出さないかは、もちろん周囲の状況による。
気をつけないといけないのはその後である。誰も来ないはずだと高をくくっておならを放出した直後に、人があらわれたとき。
油断した自分がいけないのはわかっているが、「こんな時に来てくれるなバカチンが」と相手を呪いたくなる。冷や汗だって出そうになる。
そしてすぐに、強烈な後悔に襲われる。なんでこんな時にこんな所で、恥ずかしげもなくぶっこいてしまったんだと。いや、バカチンは俺の方だったわ。取り返しがつかないとはこのことだ。
おならは99%の無臭ガスと1%の悪臭ガスで構成されている
そもそも、おならはなぜ臭いのだろうか。おなら成分の99%は無臭なのだが、残り1%は腸で発生した悪臭のガスでできているようだ。
私たちが食事をすると、腸内では善玉菌と悪玉菌が食べ物を消化しようと一生懸命に働く。その消化の段階で発生するのがおならの成分であるガスだ。
善玉菌が発生させるガスは無臭なのだが、悪玉菌が発生させるガスは硫化水素や二酸化硫黄、インドール、スカトールなど悪臭の原因になる成分が含まれているという。
腸内では本来、善玉菌と悪玉菌、日和見菌がバランスよく働いている。そのバランスが崩れると悪玉菌が増え、狂おしいほど臭いガスが大量発生することになるのだ。
悪魔的に臭いおならを放出したとき平和にその場をスルーする方法6選
そんな悪魔的に超臭いおならを、ほぼ100%に近い確率で誰も来ないスポットで出せば何の心配もない。
心配しないといけないのは、「もしかしたら人が来るかもしれない」という五分五分の確率のスポットでぶっこいてしまった時だ。
そんな時に限って会社の同僚や学校の友達が来るものだし、そんな時に限って記念碑的に最上級に臭いおならが出てしまうものである。もう死にたくなるが、その場を平和的にスルーする方法を知っていれば、気まずい雰囲気は圧倒的に少なくなるだろう。
だが、万能ではないので臨機応変に対応することが望まれる。屁コキストのたしなみとして、ぜひ参考にしてもらいたい。
①あくまで気づいていないフリを装う
これが最もオーソドックスな方法だ。顔色ひとつ変えず、あくまで平静を装うことだ。ほんのり臭う程度のおならであれば、たとえ相手が「どうも臭いぞ」と思っても「もしかしたら気のせいかも知れない」と思い直してくれるかも知れない。
だが超絶臭ければ誤魔化しようもない。そんなときは、平静を装いながらちょっと顔をしかめて「なんか臭うな」をいう表情を作るのだ。つまり、
この臭いの発生源は自分はなく、どこか知らない場所から漂ってきたのだとアピールするのである。功を奏るかどうかは相手の気持ち次第だ。あとは祈るしかない。
②誰かが来ることを予想して、あらかじめ天然ガスを吸い込む
自分で発生させた害毒性の高い天然ガス=おならを、自分で責任をもって吸い込む方法だ。これは「地産地消」の考え方に由来する。だが、会社の同僚などが向こうからやって来た時に、慌てて吸い込む素振りをするとかえって怪しまれてしまう。
この方法が有効なのは、まだ周囲に誰もいないときだ。あらかじめ誰かが来るのを予想して、放出直後に思いきり吸い込むといいだろう。
どれだけ吸い込めるかは自分の肺次第だ。吸い込む量が多ければ、おならの存在に気づかれにくくなる。屁コキストの称号が与えられる恐れもグッと減るはずだ。
③さっきまで他の人がいたことをにおわせる
「自分もいまここに来たばかりだ」「さっきこの場所に誰かいたようだ」ということを会話の中でさりげなく挟む方法だ。
誰かの存在をにおわせることで、この濃厚なおならのにおいの発生源が自分だという選択肢を排除できるようになる。相手が疑り深いタイプでも有効だ。そこにいたはずの「誰か」か「自分」かの、二者択一のプレッシャーを与えることができるからだ。
この方法も相手がどう認識するかにかかっている。こちらではコントロールできることではないので、あとは運に任せるしかない。
④息止めゲームを提案して、おならが希釈されるのを待つ
テレビのバラエティー番組で、タレントが水中で何秒間息を止めていられるかというゲームを何度か見たことがある。相手がおならの臭いに気付く前に、そういうタイプの「息止めゲームをしよう」と提案するのだ。
もちろん、相手との関係性が十分構築できていなければできない方法だろう。でも、背に腹は代えられない。相手が不承不承ながら承諾してくれたら、早速ゲームを開始しよう。成人男性であれば、1分ほどは止めていられる。1分もたてば、おならもだいぶ希釈されるはずだ。
さりげなく鼻で空気を吸い込んでおなら濃度を確認し、大丈夫なようであれば自然な形でゲームを終わらせればいい。ちょっと強引な手法なので、個人的にはあまりおすすめはできない。
⑤霊感あるふりをして「ここには近づいていけない」と必死に訴える
向こうから誰かが近づいてきたら、「ここに危険な霊がいるからこれ以上近づいていけない!」と熱意をこめて訴えかけよう。その訴えの効果を発揮させるには、事前に布石を敷いておくことが必要だ。
自分には強い霊感がある。そしてこの会社には(あるいは学校には)浮遊霊が存在する、ということを周囲の人に認知してもらわなければいけない。 そうすれば、たとえ不意に誰かがやって来ても、「近づいてはいけない!」と訴えれば、おならのにおいに気付かれることなく、相手を遠ざけることがきるはずだ。
だが、霊感があることを主張しすぎると気持ち悪がられる可能性が高いので注意したい。よくおならが出てしょうがない、という悩みを持っている人には割と有効だろうが、この方法もあまりおすすめはできない。
⑥素直におならをしたことを認めて、すぐ話題を変える
これが自然にできれば一番良い。だが、いざとなったら不思議とできないものだ。相手が仲の良い人であれば笑って他の話題に移れるだろう。あまり話したことのない相手だった場合、他の人にばらされるリスクが伴う。
そうすれば屁コキストの噂が拡散されてしまうかもしれない。できればそれは避けたいところだ。でも逆に、「正直な人だ」と好感を持たれることもあるかもしれない。そういう意味では諸刃の剣だ。
健康的な生活を送って健全な屁コキストを目指す
私は子供のころ、よくおならをしていた。1日に何回おならをするかカウントしたことがあるが、30回~50回くらいしていた記憶がある。1日平均5回や10回ほどらしいので、重度の屁コキストだったことがわかる。
おっさんになった現在では、だいたい平均位の回数におさまっている。なぜ減ったのかはわからない。その代わり、ニオイの濃度はかなり高くなった。
子供のころのおならは、天使のため息かと思うほどあまり臭くなかったはずだ。だが今では、悪魔のゲップかと勘違いするほどの悪臭を放つことがある。
その悪臭の原因にはいろいろある。
■肉類など動物性タンパク質をたくさん摂りすぎている
■ストレスで腸内細菌のバランスが悪くなっている
■長い間便秘だ
■早食いでよく噛まないため、消化が悪い
おならの悪臭の原因は、腸内の悪玉菌が多く働いているせいである。悪玉菌は動物性タンパク質を分解する性質があるため、あまり多く摂り過ぎない方が好ましい。ストレスだって腸内だけでなく、体全体のバランスを大きく崩す恐れがあるため十分気をつけるべきだろう。
適度な運動やノンストレスな生活、食事の際によく噛むなど基本的なルールを再確認して、健康的な生活を送るように心がけよう。
あまりニオイのきつくない健全な屁コキストになるのも、そう遠い未来ではないはずだ。