自分という「素材」の特性をどう活かして料理するかで、人生は美味くもなるし不味くもなる
スーパーで湖池屋のプライドポテト「芋まるごと 食塩不使用」を買って食べてみた。
ポテトチップスといえばのり塩、うす塩、コンソメなど定番の他にガーリック、サワークリーム、濃厚チーズ、アヒージョなんていうのもある。私たちを飽きさせないようにいろいろと趣向が凝らされている。
でも「食塩不使用」っていうのはあまり見かけたことがないし食べたこともないので、興味本位で買ってみたのだ。
食べてみると、確かに塩辛さはまったく感じない。その代わり、芋の味が舌の上に広がっていくのが感じれる。要するに「素材の特性を最大限に活かした」ポテトチップスということなのかもしれない。
「素材の特性を最大限に活かす」
なんて悪魔的な魅力を持った言葉なんだお前は。
料理は素材の特性を最大限に活かしてこそ美味くなるもの
料理は素材が命とよく言われる。素材を上手に活かしてこそ美味い料理ができるが、そもそも腕がなければどんなに素材が良くても美味い料理は作れるものではない。
素材があまりパッとしなくても、腕があればそれなりの料理は作れるのだが、素材は悪いし腕もないときたら出される料理の出来栄えは推して知るべしである。
つまり、どんな素材を扱おうと、料理人の腕次第で料理の出来が決まってくる。僕の料理の腕はお世辞にも上手いとはいえないが、ときどきビックリするくらい美味いものが出来上がることがあるからなかなか侮れない。うまくできた時は、気分が良くなるし食もハイペースで進む。
「自分」という素材の特性を最大限に活かすことで人生は「美味いもの」になるはず
何度も言うが、料理は素材が重要なのはもちろんだけど、何より腕である。腕の良し悪しで味が決まる。同じ理屈が人の人生にも当てはまるのではないかと思っている。
「自分」という素材をどう活かしどう利用するかで、人生は美味い物にもなるし不味い物にもなる。どうせ食べるなら美味い方がいいに決まってるよね。
僕は中華料理が好きだが、別に最高級食材を使用しなくてもいい。素材の特性を十分に活かして、経験と勘とスキルを存分に発揮した絶望的に美味い八宝菜を食べたい。フランス料理もイタリア料理もいいが、やっぱりトロッとしていつまでも口の中に深い味の残っている中華が何よりも好みだ。
自分の人生も同じだ。高級食材をガチガチに集めて、最高のスキルを120%発揮してキラキラした最高級料理を作るなんて無理な話なのはわかっている。一見チープな素材でも、特性を上手く活かしたトロッと味わいのある美味い料理を作る。それが僕の人生の料理人としての目標である。
欠点だらけの素材でも腕次第で美味い料理は作れる
それではちょっと、とりねこさんの「素材」を見てみよう。
■引っ込み思案 →悪い素材
■人見知り →悪い素材
■人と上手に関係を構築できない →悪い素材
■あがり症 →悪い素材
■相性が良ければ懐く →良い素材
■わりと献身的 →良い素材
■飽きっぽい →悪い素材
■空気を読みすぎるきらいがある →悪い素材
■共感力はそこそこある →良い素材
■人と同じことを嫌う傾向が強め →良い素材
とりあえず、何も考えず片っ端から集めた素材です。悪い素材の方が多いように見える。使いようによっては良い素材に化ける可能性のあるものもあれば、持ってても邪魔でしかないように見える素材もある。
腕が悪ければ当然、ジャンク品にしかなり得ないだろう。だが、上手に料理することで中毒性抜群の、絶品八宝菜にも劣らない、カリスマ的ジャンク料理が出来上がるはずだ。そんな個性的で、また食べたいと思える料理を作れれば最高じゃないか。そのためには毎日腕を磨き、素材の特性を上手に活かす訓練が欠かせない。
悪い素材の活かし方
それでは悪い素材をどうやって活かせばいいのだろうか。表面は苦かったりあくが強くても、切ったり皮を剥くことで甘い果肉があらわれることがある。つまり表面だけを見ないで、いろいろな角度から素材を見極めればいいのだ。
✖ 人見知り → 〇 相性が合えば深く付き合える
✖ 飽きっぽい → 〇 好奇心旺盛でいろんなことにチャレンジできる
✖ 空気を読みすぎるきらいがある → 〇 相手を傷つけないで鷹揚に対処ができる
こんな感じで、一見欠点だらけの素材に見えても、良い一面がある場合がほとんどだ。それを探さないのは損である。最大限に素材を活かすこととは、そういうことじゃないだろうか。
ジャンクならジャンクで最高に中毒性の高いジャンクフォードを目指せ
いくら素材を活かせって言っても、ジャンク素材ばっかりだからどうせジャンクフードにしかならねえわ。
そう嘆きたくなるのもわかる。僕もその一人だからだ。でも、ジャンクならジャンクでいいじゃないか。ジャンクの何が悪いんだ。
どうせなら最高に中毒性の高い、ジャンクの中のジャンクを目指せばいい。ありきたりの、チェーン店で食べるような没個性的な料理なんか目指さなくて結構だ。たまたま入った安い個人店で食べる、ジャンク丸出しだけどなぜか中毒性ハンパない料理を目指せばいいじゃないか。
熱狂的に食べてくれる人が一人でもいれば、確実に面白い人生になるんじゃないだろうか。